B級グルメを検討するにあたり、倉敷市出身で県外に在住している方に「岡山県で特徴のある食品は何ですか。」とお尋ねしたところ、昔懐かしい学校給食に出たソフト麺だと言う返答が多くありました。ソフト麺は意外にも倉敷市中島の岡山インスタント麺(株)で製造されていました。
早速、会社訪問をし、ソフト麺でB級グルメを開発したいとおねがいしましたところ、快く同意してくださいました。
NPO法人鷲羽山の景観を考える会の有志は、B級グルメ研究会を立ち上げ、料理研究をしました。その結果、出来上がったレシピの中から塩味のものが選ばれ、平成22年12月に製品化されました。ことあるごとに、幾度も試食会をしましたが、良い評判はあるものの、販売には至りませんでした。
ところが、平成25年5月5日に実施された「鷲羽山天空フェスティバル」で、塩味のソフト麺の試食会をしたところ、多くの方々から好評を頂きました。岡山インスタント麺(株)の社長は、その場で貴重な意見や、熱い思いを直接聞かれ、一般販売の決断をされました。
パッケージの絵は、地元漫画家の「あずますみこ」さん作です。キャラクターは、一般公募で「わしゅうくん」と命名されました。そして、ソフト麺とわしゅうくんがコラボした「わしゅうくんの塩味スパ」が誕生しました。地元鷲羽山で生まれた「わしゅうくんの塩味スパ」を皆様にご賞味いただきたく存じます。開発に携わってくださった多くの皆様に心より感謝申し上げます。
正式名称は「ゆでスパゲティめん」、「クルード(イタリア語で「生」の意味)式スパゲティめん」。岡山県では、給食等で「ソフト麺」の呼び名で定着しています。ソフト麺の特徴は、手早く・簡単に調理が出来ること、常温で長期間保存(最長5ヶ月)が可能だと言うことです。
「わしゅうくんの塩味スパ」の製造者である岡山インスタント麺(株)が、このソフト麺を世に送り出したのは、昭和41年のことです。当時流通していた乾麺のスパゲティはゆでるのに30分と調理に時間が掛かかりました。また、百貨店やスーパーも冷蔵庫を完備とはいかなかったようです。簡単に調理でき、常温で保存が可能な「ソフト麺」は次第に消費者・販売者に受け入れられ、以来40年以上にわたって岡山県民に愛されている味です。